東海学生サッカーリーグ1部マッチレポート 中京大学VS名古屋産業大学
11月15日に勝てば東海学生サッカーリーグ1部の優勝が決まる中京大学(以下中京大)と、名古屋産業大学(以下名産大)の試合がミッドウィーク開催で行われた。
前半開始直後から常葉大学との直接対決の前に何とか優勝を決めたい中京大学が攻勢に出るが、先制に成功したのは名古屋産業大学だった。
14分、ペナルティーエリア内でボールを受けた名産大28番谷尾壮毅がサイドネットに流しこみ中京大の出鼻をくじいた。
その8分後、中京大12番碓井聖生のパスを受けた19番屋嘉比奏汰が左足ダイレクトで決め切り試合を振り出しに戻す。
ここからは中京大ペースで試合は進むも、25分、左サイドでの攻防を制し、名産大11番田中栄勢がDFとGKの間に流し込んだクロスを34番古内悠ノ進が流し込み一瞬の隙をついた名産大が逆転に成功する。
前半は中京大がシュート数11本、名産大がシュート数5本と中京大は倍以上のシュートを放つも少ないチャンスを確実に決め切った名産大がリードして前半を折り返した。
後半開始直後はメンバーの交代はなく、なんとかまず追いつきたい中京大であったが、53分、得点を奪ったのはまたしても名産大であった。34番古内が右サイドで相手二人の間を切り込むドリブルを披露し、クロス。1度相手に当たって跳ね返ったボールを11番田中が力強く蹴りこんだ。
56分、3点を奪わないといけなくなった中京大は7番藤井皓也・10番小酒井新大を投入する。
そして63分、途中投入の7番藤井が29番折出幸大のパスを受け数タッチし、ゴール左隅にゴラッソを叩き込み1点差に迫る。
65分には、中京大は9番永田貫太も投入。
その5分後の70分には、その永田のクロスから12番碓井が打点の高いヘディングで決め切り同点に追いつく。
その後も勢いづいた中京大の攻勢は続き、迎えた84分、3番深澤壯太のグラウンダーパスに抜け出した15番武藤寛がゴール右隅に冷静に流し込み、後半に2点差をひっくり返す大逆転を実現。
このまま、試合は終了。3月の愛知学生選手権・7月の東海学生サッカートーナメント・そして年間を通じた東海学生サッカーリーグ1部と3冠を成し遂げた2023年度の中京大学は東海の絶対的王者として歴史に名を刻んだ。インカレでの勇士にも期待だ。
監督インタビュー
中京大学 永冨裕也監督
「後期開幕時点では,4位でしたが,大逆転優勝を1節残して達成しました。成し遂げることができた要因はなんであったと監督はお考えでしょうか?」
『今シーズンは吉井コーチに普段の練習から現場の指揮まで全て任せており、本当に素晴らしいチームを作ってくれました。
年間を通して、選手個人、チームとしての成長を非常に感じる事ができたシーズンでした。
怪我人や様々な事情でチームから離れている選手などが多く前期のリーグ戦では満足するような結果はでませんでした。
しかし、チームとしてブレずにやり続け、普段の練習の取り組む姿勢などは非常に素晴らしかったため、夏場以降結果が付いてきたことにより個人、チームとしての成長を感じ、後期リーグは自信もってプレーできていたと思います。
この結果に満足する事なく全国大会では東海第1代表として応援して下さる方々に良い報告ができるように頑張ります。』
名古屋産業大学 小崎峰利監督
「最終節を,強敵中京相手に負けてはしまいましたが,3点は奪って終えました。監督はこの結果を来年につながる結果になったとお考えでしょうか?」
「確かに3点を取ったという事実はありますが、負けたという現実が全てを物語っています。
来年に繋がるというより、来年に向けての課題がかなり見つかったという事と、我々が取り組んできたことが上位校に対して多少通用しつつ、立ち向かえるという事も分かりました。
負けたという結果が来年に繋がる事は間違いないと思います。
引き続き真面目にサッカーに取り組ませます。」
MVP選手インタビュー
中京大学 12番碓井聖生選手
「優勝が勝てば決まる試合で,しっかりとゴールを奪い切りました。お気持ちをお聞かせください」
まず、前半自分たちが決め切れるところで決めきれず中々試合を自分たちの流れに持っていくことができなかった。しかし、後半失点はしたが途中交代の選手が一気に流れを変えてくれて自分も同点ゴールを決め、最終的には逆転し勝つことができた。チーム全体で掴んだリーグ優勝だと思う。また、サッカー部だけでなくラグビー部も応援にきてくれて最高に楽しかった。
次の試合では特にゴールを決め切るところを特に意識していきたい。
名古屋産業大学 11番田中栄勢選手
「中京大相手に今回の戦いではどのような感想を抱きましたでしょうか?」
「中京大相手に先制点を取ってチームの士気が高まり、後半の20分あたりまでは名産ペースで中京大を苦しめてたと思います。でも、中京大のゴール前でもフィニッシュや精度の差が勝ち負けに響いた試合だったと思いました。名古屋産業大学はまだまだ発展途上のチームなので、来期に向け今回の試合で出た課題を改善して行きたいと思います。」