東海学生サッカートーナメント3回戦ピックアップマッチ             マッチレポート 岐阜協立大学vs常葉大学

 6月29日土曜日に草薙陸上競技場にて岐阜協立大学(以下岐協大)vs常葉大学(以下常葉大)の東海学生サッカートーナメント3回戦が行われた。共に東海学生サッカーリーグ1部に所属する両チームの1戦は熱い1戦となることが予想された。

 予想された通り、序盤からハイインテンシティーの下でゲームは進んでいく。     攻撃となると、後方から時間を作りながらサイドにしっかりと迂回経路を作りながら前進を試みる岐協大と、守備時はコンパクトに陣形を整えながらきっかけを生み出すと怒涛のハイプレスを仕掛け、守備からリズムを作り出す常葉大の構図となる。

 常葉大は前半のうちにセットプレーの獲得数も多く、幾度も決定機を迎えるも、岐協大はGK12番梅原稜平を中心に体を張った守備で耐え忍ぶ。

そして前半終了間際に、左サイドでボールを受けた岐協大10番市村駿成がドリブルで持ち運びペナルティーエリア内でファウルを受けペナルティキックを獲得。45+2分、自身で獲得したPKを意外性のあるチップキックで決め切り劣勢の中で先制に成功する。

直後に、常葉大10番清水和馬が抜け出してシュートを放つも岐協大GK梅原がナイスセーブを見せ、岐協大の1点リードでハーフタイムに突入する。

後半に入っても、試合の構図は変化せず、常葉大が前線からのプレスを続け、シュートにつなげる。54分に右のペナルティエリア外から獲得した直接フリーキックを常葉大22番小西瑞稀が左サイドネットに直接沈め、同点とする。

同点となった後は、常葉大が勢いづき、岐協大のビルドアップをFWのしっかりとしたファーストプレスと2列目の徹底してライン間を閉じたブロックによって何度もひっかけてショートカウンターを成立させ、前線で失っても素早いカウンタープレスによって奪い返し、なかなか岐協大は自陣から抜け出せない展開が続く。

そして迎えた81分、常葉大はスルーパスに抜け出した右サイドハーフ20番向川典伽が冷静に決め切り逆転に成功する。

しかし、ここではまだ終わらない。85分、右サイド深い位置でボールを受けた岐協大5番山中凛太のクロスを7番井上太智がヘディングで合わせすぐに同点に追いつく。

 試合はこのまま延長戦へ引き継がれることに。延長戦に入っても常葉大は背後へのランニングを繰り返し、何度もコーナーキックを獲得するが、岐協大はベンチも一体となって声を出し続け、集中を切らさず跳ね返し続ける。球際も両者一歩も譲らず、ヒートアップするシーンも何度か見られたが、結局スコアは動かず、試合の行方はPK戦に委ねられることになった。

そして、PK戦の末、5―6で常葉大に軍配が上がり、両者死力を出し尽くした好ゲームに終止符を打ち、準決勝への進出を決めた。

監督インタビュー

常葉大学 津田恵太監督

「両チームが死力を出し尽くし,PK戦までもつれた1戦をものにしました。この1戦をどのようにお考えでしょうか?」

 どちらに転んでもおかしくない試合だったと思います。              内容としては岐阜協立大学さんの戦いが素晴らしかった事もあり、我々としては難しい展開となりました。ただトーナメントに入る前からどの試合も難しくなる事はチーム全体で覚悟していましたので、そういう状況の中で焦れずに粘り強く戦えた事はチームとして非常に良かったと思います。この経験を糧に一戦一戦成長していけたらと思います。

岐阜協立大学 高田優監督

「強敵常葉大学にあと少しのところで及びませんでしたが,素晴らしい1戦だったと思います。自チームのパフォーマンスについてどのようにお考えでしょうか?」

 プレシーズンからの取り組みが、このような素晴らしい相手に対して発揮できたことは成果だと感じています。                             ただ、結果に結び付かなかったことはとても残念です。               引き続き、情熱的な試合を行えるよう練習頑張ります。

MVP選手インタビュー

常葉大学 22番 小西瑞樹選手

「ご自身も直接フリーキックを沈められ,3回戦突破に貢献されました。準決勝への抱負をお願いいたします」

自分自身プレースキックが武器でもあるので持ち味を活かしてチームの勝利に貢献できたことは嬉しく思います。                              

次は準決勝で勝ったら全国が決まる一戦ですが、相手がどう来るかではなく自分達がやってきたことを出す事に全力を注いで勝ちにいきます。応援よろしくお願いします。

岐阜協立大学 12番 梅原稜平選手

「試合を通じて,幾度もビックセーブを見せ,チームを救い声でも鼓舞し続けていました。トーナメントはここで幕を閉じますが,リーグはまだまだ続きます。この中断期間どのようなことを意識して取り組まれますか?」

 まず初めにこの一戦ができたことがチームにとって大きな影響を与えたと思います。個人的な技術やフィジカルの向上に取り組む時間をしっかり確保したいです。           

また、チームとしても戦術の確認や連携を深めるためのトレーニングを行い、次のリーグ戦に向けて万全の準備を整えたいと考えています。                 

これからも全力で戦いつづけますので応援よろしくお願いします。