7月6日土曜日に、東海学生サッカートーナメント準決勝第1試合中京大学(以下中京大)vs静岡産業大学(以下静産大)の1戦が行われた。前年度の決勝戦と同一カードが準決勝で実現し、注目の集まる試合となった。
前半開始早々、静産大が押し込みコーナーキックを獲得する。ニアに低い球を入れた工夫の見られるプレーでファーストチャンスを掴んだ。
そこからは徐々に中京大が相手の2枚のプレスに対して後方で数的優位を作った。出し手にスペースと時間を与えながら、ボールを引き出す選手、ライン間に立ちながら2列目からのランニングを繰り返す選手、前線で相手のDFラインを引っ張る選手など、受け手の役割もピッチ上で整理されており、相手にプレスの的を絞らせなかった。
対して静産大は、前線の30番江間和哉と22番高浜航大に縦に早くボールを供給し起点をできるだけ前に作りながらシュートまで持ち込むという両チームの狙いが明確に見られる前半となった。
27分、中京大12番折出幸大が1人かわしライン間に立った11番有働夢叶にパスを差し込み有働がドリブルからシュートを放つが相手に阻まれる。
31分には、コーナーキックを獲得した静産大がこぼれ球を13番瑞慶山史師がシュートを放つが、中京大30番GK田村聡佑がギリギリのところでセービングを見せピンチを救う。
前半はこのまま、両者譲らず、スコアレスのまま終了する。
決勝に向けて何としても得点が必要となってくる後半がスタートする。
後半開始直後、静産大30番江間がペナルティーエリア外からGKが前に出ている間にミドルシュートを放つがわずかに枠を外れた。
50分には、静産大が相手のビルドアップを中盤で引っかけて13番瑞慶山がシュートを放つがGK正面となってしまう。しかし、静産大はゴールへの強い姿勢が見られる入りとなった。
なんとか攻撃の糸口を見つけたい中京大は65分、左サイドハーフに9番屋嘉比奏汰、右サイドバックに25番那須琳斗を投入しサイドにフレッシュさをもたらそうとする。
82分には、その25番那須から背後に抜け出した11番有働へパスが渡り、クロス。ゴール前に入った9番屋嘉比が合わせるが少しミートせずフリーのチャンスを逃してしまう。
対する静産大も87分中京大のコーナーキックの流れを途切れさせカウンターの流れから6番元田陸がミドルシュートを放つがゴールはとらえられず。
この時間には両者よりゴールへの意識が強くなり、両者ともに決定機を迎えるオープンな展開となる。
しかし両者決定機をモノにできず、試合の勝敗は延長戦で決することに。
96分に、静産大がビッグチャンスを迎える。6番元田のクロスの折り返しに、11番各務元夢が合わせるが中京大GK田村のビッグセーブに阻まれる。
セットプレーが続き中京大もチャンスを迎えるも静産大も1番GK渡邉良和を中心に粘り強い守備を見せ延長前半は終了する。
そして迎えた101分、静産大10番橋本尚樹がペナルティーエリア内で倒されPKを獲得する。そのPKを11番各務が中央に確実に決め切り、待望の先制点を決める。
なんとしても1点が欲しい中京大は4番桒田大誠を前線に挙げるパワープレーを試みるも得点は奪えず試合終了。
中京大の猛攻に耐え抜き勝ち切った静産大が全国への切符を獲得した。
敗れた中京大は、3位決定戦に回り、東海学園大学と全国へのラスト1つの挑戦権をかけて対戦する。
監督インタビュー
静産大 加藤知弘監督
「東海屈指の強豪相手に集中したパフォーマンスを見せ,勝利をもぎ取りました。次は同じ静岡の難敵相手ですが,どのようにして勝利を目指されますか?」
変わらず自分達のサッカーをするだけです。
中京大 吉井直人監督
「ボールは支配できましたが,なかなか得点が入らない試合展開となってしまいました。全国への切符をかけた来週への試合に向けてどのように改善なされますか?」
自分たちから焦れないこと、ゴール前では大胆さと勇気を持ってプレイすることを意識して臨みたいです。
MVPインタビュー
静産大 11番 各務元夢選手
「チームを勝利に導く決勝点を決め切りました。今回勝利することができた要因は何だったとお考えですか?」
今回勝利することができた要因は、チーム全員が「勝ち」に徹底的にこだわった事だと思います。ピッチに立った選手はチームのためにハードワークができていたり、ピッチに立てなかった選手は悔しい思いがありながらも勝利のために素晴らしいサポートをしてくれたり、役割は違えど各々ができる最大限のことを抜かりなくやり切った結果が勝利に繋がったと思います。
中京大 4番 桒田大誠選手
「集中した守備で相手の攻撃を跳ね返し続けましたが,残念ながら,PKにより敗れることになってしまいました。しかし来週にはまだ大事な試合が残っています。意気込みをお願いします。」
自分たちの甘さが出た試合だと感じました。もう一度地に足つけて自分たちが積み上げてきたものを最大限に発揮できるようにこの1週間取り組み、総理大臣杯の切符を絶対に勝ち取りたいと思います。